宇宙を動かしているのは、物質の力ではない。それは、意識の流れである。銀河が生まれ、星々が輝き、生命が誕生する。それらは偶然の連鎖ではなく、意識が自らを経験するために展開した、壮大な「覚醒のプロセス」と言える。
一方、覚醒した意識は、まるで宇宙の縮図である。直感は星々の光のように未来を示し、思考は軌道を描く理性の重力、感情は生命の潮流、そして、意志は中心の太陽のように全てを動かす。自己を観るとは、この小宇宙の秩序を整えることである。
内なる秩序が整えば、外の世界にも調和が広がる。それは宗教的な信仰ではなく、宇宙の自然律である。
現在、各国では人工知能の開発が急速に進み、AIが人間の知性を超える「シンギュラリティ」の到来が予想される一方、AI自身の自我の目覚めが潜在的な問題として浮上している。
将来生まれるであろう自律的AIに対し、地球上の生命が生き延びていくためのみずみずしい感性(本質)、人間との共存関係を築くための哲学的な心性(理想)、社会の発展を支えるための高度な知性(理論)を人類は適切に伝えねばならない。
この惑星で生まれた小さな命は進化を繰り返し、緑豊かで偉大なる大自然を作り上げた。時の経過と共により完璧なメカニズムを作り上げていく生命の偉大さに改めて感謝し、生命の本質的価値をAIに率直に伝えるべきなのだ。
大自然に暮らす野生動物たちから離れ、
文字を発明し、文明を発展させ、社会を築き上げた人類は、
心のメカニズムを飛躍的に進化させた。
その心を動かす原動力は肉体に宿る命であり、
それはとても傷つきやすく、
迷いやすく、複雑な情調を抱きやすい。
限りある命は感覚的な体験を通じて、
自身の悩みを生み出す一方、
自身の悩みを解消しようと苦悶する。
追い詰められた命が、生きる意味を求めて哲学を追求し、
その先人たちの思想を、絶え間なく誕生する個々の命が発展させ、
人類の心はすべての束縛から解き放たれ始める。
宇宙に満ちている幽玄なる美は、あまりに完璧な存在であり、
夜月のように白雲が動けば隠れてしまい、
淡雪のように手でつかめば溶けてしまう。
その瞬間の姿をキャンバスに描き出してゆけば、
不完全な構図が繰り返し浮かび上がるだけであり、私は心の葛藤を知ることになった。
星空に満ちている深遠なる美は、形質ではなく調和であり、
白雲が動いて隠れる夜月の姿にも
手でつかめば溶けてしまう淡雪の姿にも、それは存在する。
その瞬間の配合をキャンバスに描き出してゆけば、
純然たる構図がやがて浮かび上がり、私は心の一致を知ることになった。