= 7 美・善・真の探求 =

【理想的な人生設計】

 

 エスプリデッサンでは、自分の価値観を明らかにし、6つのマインド機能(直感・精神・思考・肉体・愛情・集団)ごとに人生の目的を設定して、美・善・真の探求に取り組んでいきます。

 

 自分の明確な理想があると、人生の目的を設定する際にも大いに役立てることができます。たとえば、「正義」を理想に掲げた青年であれば、その生き様の中で仕事選び、健康作り、学習内容などを考えていけるからです。

 

 自らの理想と願いから生まれた目的であれば、さまざまな困難に直面しても、前向きに粘り強く取り組めるはずです。そして、その姿勢が、自己哲学の構築やライフスタイル作りにも役立つことになります。

 

【エスプリ画の母体】

 

 理想を抱いて人生の目的をそれぞれ決めたら、まずは、ベースエスプリ画を制作しましょう。

 

●人生の設計【ベースエスプリ画】  

 ベースエスプリ画は将来の人生設計を行い、それを管理するためのもの。6つマインド機能(直感・精神・思考・肉体・愛情・集団)ごとに人生の目的を決めたら、それぞれの活動が芸術(美)・哲学(善)・科学(真)とどの様につながるのかを考えてみましょう。

 

 エスプリデッサンでは、あなたの活動の性質によって、エスプリ画を使い分けていきます。

 

【付属的なエスプリ画】

 

 自らの道を歩むための道しるべ(人生の目的)を設置して、具体的な活動に入る場合、その活動内容の性質に応じて付属的なエスプリ画を選んでいきます。

  

●美の探求:アートエスプリ画【第6巻】

 地球に暮らす中で宇宙や自然の美しさを鑑賞し、その心の感動を作品に表現していきます。美の本質に宿る輝きを実存の美しさに変える難しさを学びつつ、自己の「感性」を磨きます。

 

●善の探求:ルールエスプリ画【第5巻】

 自らの理想像を思い描いて、自己ルールを作り、行動の判断基準を明確にします。混沌とした社会の中で理想を実現する難しさを学びつつ、自己の「心性」を磨きます。

 

●真の探求:サイドエスプリ画【第2・3巻】  

 自分のなりたい社会的なポジションを決めて、予備学習と情報収集を行い、ゴール到達のためのコースを作ります。コースの歩みの中で、専門の知識と技術を習得し、自己の「知性」を磨きます。 

 

【中心統合的なイメージ作り】

Will is also one of the loneliness. Albert Camus
意志もまた、一つの孤独である。

 

 サイドエスプリ画を描く場合、あなたの「人生の目的」は、そのエスプリ画の「主題」となって、絵図の中心に置かれます。次ぎに、周辺にある6つのマインド機能ごとに、目標や課題を設定して、「主題」の実現に取り組みます。

 

 たとえば、調理師を目指すためにサイドエスプリ画を描くとしましょう。この場合、あなたは理想実現に必要なための目標を次のような視点で設定します。

 

直感域:調理を通じた美のセンス

精神域:料理人の世界観

肉体域:健康管理

愛情域:求められる人間性

思考域:料理の知識

集団域:調理技術

 

 結果として、あなたの自己意識は、心のメカニズム(6つのマインド機能)にリンクする形で、主題に関する中心統合的な概念・イメージを作れるはずです。 

  

【自分の心を正視してみる】

 

 一つの目的に向かって進み、さまざまな試練に直面する中で、複雑に揺れ動く己の内面を理解するのはむずかしいもの。時には、一人になれる静かな時間を作り、エスプリ画を眺めて瞑想し、静寂の中で自らの心の様子を確かめてみてください。

 

 エスプリ画をじっと眺めてから目を静かに閉じて、目的達成の取り組みの中で生じたさまざまな出来事を回想してみる。すると、マインド機能の訴えが聞こえ始めます。たとえば、

 

・直感機能が意気盛んだ。(昨日、直感の導きによって、とても美味しい料理を作れた)

・精神機能が後悔している(この前、食品ロスを出してしまった)

・思考機能が不安がっている(来週、専門調理師の試験だ)

・肉体機能が気持ちよくしている(ここ数ヶ月、朝にジョギングをして健康維持に努めている)

・愛情機能が悲しんでいる(先月、忙しくておもてなしの心を欠いてしまった)

・集団機能が喜んでいる(この前、新しい調理技術を習得できた)

 

という具合に、「自分の心の世界で何が起こっているのか?」を、より具体的に確かめることができます。

 

 沈黙の中で、今までは気づいていなかった感覚や感情をすくい取り、自分が何に心配をしていたのかを明らかにすると、漠然と抱えていたた不安がスーと消え去ることがあります。

 

【適応に富む機動性】

 

 私たちの自己意識は、それぞれのマインド機能と対面するゆったりとした時間を過ごすことで、自身の中に潜む執着や原因に気づき、自身の性格を理解し、また、自身の弱みや強みまでも理解できるようになります。

 

 そうすれば、きわめて困難な状況で「自分は何者なのか?」と苦悩しても、やがて、一つの壁を乗り越え、自らが理想とする方向に進めるようになるでしょう。 

 

 その際、美・善・真を求めて確かな信念を抱きつつも、下界の環境に応じて自身の見方・考え方を少し修正してみることも大切です。そうすれば、「今日は失敗したけど、明日はこの方法でやってみよう!」という意欲が生まれて、目の前の困難に立ち向かうエネルギーを生み出すはずです。

  

【真実に向かう力】

 

 人間の自己意識は、自らのあるべき姿を悟り、未来に対して肯定的であればあるほど、自らの力で道を切り拓くことができます。

 

 自らで判断し、自らの意思で決行し、反省をし、自身の人生の価値を感じとりながら、真実に向かって歩み続けることが重要です。あなたの正しい方向に向かっているという感覚が決断力となり、また、前向きな行動を通じて、「これはこうなんだ」という判断力や理解力が付けば、心に余裕も生まれます。

 

 さらに多くの努力を重ねて、「やればできる」「自分なら大丈夫だ」という自信がつけば、内なるエネルギーが泉のように湧き上がる中で、清々しい世界が目の前に現れるはずです。

  


The Upper World and the Material World
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