= 13 邪への非常線を張る =

【健全な感覚に嫌悪する悪人たち】

 

  不正を働く悪人たちは、無垢な子供や善良な人間を自分たちの利益のためだけに利用しようとします。善良な人間は、悪人たちの異常な心の世界を理解できないのに加え、彼らの表現・演説・解説が紛らわしいために、欺されてしまう場合があります。

 

 悪人たちに欺され、「とてつもないチャンスが転げ込んできた!」と歓喜して、契約書に署名した時点で、もう致命傷を負わされているケースが大半なので、私たちは何が本質的に誤りかを的確に洞察する力が求められます。

 

 人間の本質的な価値は、彼らが軽々しく口にするような「英雄、栄光、成功」などとは縁遠いもの。心の世界が真っ黒な悪人たちは、外見を華やかに嗣、自分たちの価値観が絶対であるかのように振る舞うので、彼らが口にする醜い宣伝や自慢話には惑わされないでください。

 

 悪人たちの歪んだ美的感覚は、「自己実現」を目指そうとする健全な感覚を有する人間に対し、その輝かしい生き方(輝く瞳、生き生きとした姿、優れた創造力)に虫唾が走る思いも寄せている恐ろしい存在です。

 

【子供たちが恐れる大人の世界】

  

 悪人らは自らの魂を売却した「自己喪失」の体験から、「人間として何を間違え、何を失ったのか?」を皮膚感覚で分かっています。その上で、どうにか輝く人間を巻き込み、陥れてやろうと考えて、醜い芸術・悪の哲学・偽の科学を次のように巧妙に進めています。

  

◆醜を美として表現:見かけ上、美しいと感じさせられるが、その狙いは生命を滅亡に導く。  

◆悪を善として演説:それ相応の道理があり善のようだが、その狙いは社会を大混乱に導く。 

◆偽を真として発表:捏造された実測値を正しいものと見せかけ、文明を破壊に導く。 

 

 「美のふりをした醜、善のふりをした悪、真のふりをした偽」を見抜くのは容易ではありません。そのため、芸術活動を通じて自身の美的感覚を鋭くして、言葉で言い表しにくい相手の心の世界を読み解く必要があります。

 


【権力悪の雰囲気】

 

 美のフリをした醜は、理論武装をし、自分たちに都合の良い道理を主張するので、論理(知性)や道理(心性)では見抜くのは困難です。よって、自らの美意識(感性)による受信感度を鋭くすることが極めて重要になります。

 

 たとえば、魂の抜けた悪人たちの様子、あるいは、彼らに接した時の自身の心の様子を感覚的に表現してみると

 

【悪人の雰囲気】

・どす黒い目の笑顔、いやらしい心使い、強引な主張、悪趣味

・悪仲間の介入と威圧、権威づく語調、ちりばめられた心理的圧力

・声そのものが発する気持ち悪さ、不自然な説明、あいまい答弁

 

【自身の感受】

・内面から湧き上がる不快感、違和感、胸騒ぎ、腑に落ちなさ

・見ているだけで生じる嫌気、羞恥心、居心地悪さ

・全身で感じる警戒感、悪意、殺意、冷汗

 

などです。自分の心や肉体の状態を観察し、ネガティブな感覚を覚えた場合、注意深くなって今後の行動の判断を下すことが重要です。 

  

【未成年は堪え忍ぶ】

 

 未成年者は、醜・悪・偽の力に直接に対峙しようとせず、とにかく自分を守ることに専念しましょう。自分の心が邪に染まってしまうと、感性や直感力が低下してしまうので、心に不調和を感じる時は、美しい自然を眺めたり、美しい曲を聴いたり、エスプリ画を描きながら、心の平和を取り戻すようにすることが大切です。 

 

 また、社会に出て自分の属する組織に悪人らしき人物がいる場合は、彼らの悪行に巻き込まれないように十分注意を払ってください。悪人が存在する社会組織の中で、純粋な心を表に出して正論を述べるのは、「私はあなたたちの敵だ」と宣言するようなものです。

 

 人々の価値観が混迷する時代、まず社会の至る所に仕掛けられた落とし穴を切り抜け、彼らが築いた巨大な障壁を乗り越えることが最初の試練となります。

 

根づきたいという魂の欲求は、最も重要でありながら、最もないがしろにされている。
To be rooted is perhaps the most important and least recognized need of the human soul. Simone Weil