= 12 醜勢への非常線を張る =

【健全な感覚に嫌悪する悪人たち】

 

  不正を働く醜人たちは、無垢な子供や善良な人間を自分たちの利益のためだけに利用しようとします。善良な人間は、醜人たちの異常な心の世界を理解できないのに加え、彼らの表現・演説・解説が紛らわしいために、欺されてしまう場合があります。

 

 人間の本質的な価値は、彼らが軽々しく口にするような「英雄、栄光、成功」などとは縁遠いもの。醜い輩に欺され、「とてつもないチャンスが転げ込んできた!」と歓喜して、契約書に署名した時点で、もう致命傷を負わされているケースが大半なので、私たちは何が本質的に誤りかを的確に洞察する力が求められます。

    

【子供たちが恐れる大人の世界】

  

 醜人らは自らの魂を売却した「自己喪失」の体験から、「人間として何を間違え、何を失ったのか?」を皮膚感覚で分かっています。その上で、どうにか輝く人間を巻き込み、陥れてやろうと考えて、醜い芸術・悪の哲学・偽の科学を巧妙に進めていきます。

  

◆醜を美として表現:見かけ上、美しいと感じさせられるが、その狙いは生命を滅亡に導く。  

◆悪を善として演説:それ相応の道理があり善のようだが、その狙いは社会を大混乱に導く。 

◆偽を真として発表:捏造された実測値を正しいものと見せかけ、文明を破壊に導く。 

 

 偽美、偽善、偽真を見抜くのは容易ではないので、美しい芸術により自身の美的感覚を鋭くして、相手の狙いを感じ取りましょう。

 


【醜い権勢の雰囲気】

 

 醜勢は、自分たちに都合の良い道理を巧妙に創り揚げており、論理(知性)や道理(心性)では見抜くのは困難なため、自らの受信感度を鋭くすることが極めて重要。たとえば、醜人たちの様子、彼らに接した時の自身の心の様子を表現してみましょう。

 

【醜人の雰囲気】

・どす黒い目の笑顔、いやらしい心使い、強引な主張、悪趣味

・悪仲間の介入と威圧、権威づく語調、ちりばめられた心理的圧力

・声そのものにある気持ち悪さ、不自然な説明、あいまいな答弁

 

【自身の感受】

・内面から湧き上がる不快感、違和感、胸騒ぎ、腑に落ちなさ

・見ているだけで生じる嫌気、羞恥心、居心地悪さ

・全身で感じる警戒感、悪意、殺意、冷汗

 

 自分の心や肉体の状態を観察し、ネガティブな感覚を覚えた場合、注意深く行動の選択をすることが重要です。 

  

【未成年は堪え忍ぶ】

 

 社会経験の乏しい未成年者は、自分が何者であるかを見つけ出す過程の真っ最中にいます。一方、醜勢力は、若者が自分を悟ることを歪め、弱め、邪魔しようとします。

 

 自分が未熟と感じる時期は、醜人に直接に対峙しようとせず、自分を守ることに専念し、醜人らが仕掛けた落とし穴を回避して下さい。

 

 人々の価値観が混迷する時代、社会のルールに盲目的に服従するのではなく、美・善・真の探求を通じて、社会の時代性を解釈すると同時に、自分の道を見つける勇気を持つことが肝心です。

 

根づきたいという魂の欲求は、最も重要でありながら、最もないがしろにされている。
To be rooted is perhaps the most important and least recognized need of the human soul. Simone Weil