他人の賞賛や非難など一切気にしない。自分自身の感性に従うのみだ。
I pay no attention whatever to anybody's praise or blame. I simply follow my own feelings. Mozart

= 14 所有する価値観の審判 =


【生きる意味】

 

 「生きる」とは、この地球の生存環境や社会の時代性を解釈し、自らの生きる意味を見つけながら、自己を駆り立て、絶えず選択をすること。私たちの自己意識が存在する意味は、けっして財物や肩書きでは言い表せません。

 

・自分はどのように家族を愛してきたのか? 

・幾多の試練にどのように立ち向かってきたのか? 

・どのような事柄に身を捧げてきたのか? 

・自分の体験をどんな風に表現したのか? 

 

という日々の活動の中に、自己意識の存在する意味があります。 

 

【みずみずしい自尊心】

 

 私たちの健全な自己意識は、必要なマインド機能を必要な時期に最大限に働かせつつ、最終的にはすべてのマインド機能を十分に躍動させようとします。たとえば、10代はスポーツと受験勉強、20代は仕事とボランティア、30代は家庭作りと子育て、40代は瞑想と健康作りに励み、50代は創作に挑戦した、という具合です。

 

直感機能(瞑想・知覚・変革・独創・発明など)

精神機能(ボランティア・救済・自己哲学など)

思考機能(勉強・受験・研究・教育など)

肉体機能(スポーツ・美容・創作など)

愛情機能(恋愛・結婚・子育てなど)

集団機能(友情・仕事・企画・起業など)

 

 自分の心に備わる各マインド機能を、その時期その時期に応じて使い分けていると、自然に、それら複数の機能を俯瞰的に見つめ、必要なとき、必要なマインド機能を活用する統合的な自己意識が育ちます。 

 

【統合力の実感】

 

 充実した人生は、一時の特出した瞬間にではなく、日常のささやかな瞬間に根ざしています。私たちは人生を浪費せず、すべてのマインド機能を十分に働かせて自らの統合力を実感することが重要であり、それら挑戦の結果に付属してくる成功や失敗の重要性は二の次です。

 

 人生の諸々の問題を一つのマインド機能の力で一挙に解決しようとするなら、それは自己の存在意義を誤解することになります。

 

 自分に備わるマインド機能の能力を軽視するのではなく、十分に活用しているという感覚が大切であり、全人的統合感を持って生きることこそが、己の人生を生きたという証になるからです。  

 

【本質的価値の見極め】

 

 どのような価値が重要と見なされるかは、6つのマインド機能に属する本質的価値によって異なります。

たとえば、

 

直感機能:純粋、調和、平常心、直感力、創造力、動物愛護

精神機能:善意、道理、平和、正義、志、反省、徳、品格、貢献

思考機能:好奇心、学習、理解、観察、根気、分析、発見、真理、教育

 

肉体機能:健康、清潔、感動、表現、勇気、平等、忍耐

愛情機能:愛、育児、家事、優しさ、献身、安らぎ、成長、孝行

集団機能:責任、信用、忍耐、技術、改善、協力、向上

 

という具合です。 

 

【自己意識の変容】

 

 あらゆる経験に向かって自己意識を開きながら、物事の本質を見極め、内面を整理し、外界に適応してゆくと、自らのスタンスにも幅が生まれます。たとえば、得意な分野の挑戦から積極性を習得し、不得意な分野の挑戦から忍耐力を身につける、という具合です。

 

 自分は何が得意で何が苦手かを分析する中で、自分の理想を考えることで、人生に対する対策を練っていくことができます。

 

 また、美しい芸術の創作、心の世界の観察を通じて、もし自分の内面にマインド機能の肥大化が生じ始めたと気付いたなら、それは、今の生活スタイルを見直す時期にあると考えてみることもできます。

 

 そろそろ今の生活をリセットしたいと思う時期は、誰しもあるのではないでしょうか? そのような時、多様性のある心の世界を通じて、社会を洞察すれば、より善く生きるための糸口を見つけ出すことも可能になるでしょう。   

 

  

【本当の自分を生きる】

 

 私たちの自己意識は、友人に信頼される、恋人と共に幸せを感じる、スポーツを楽しむ、信念を貫くなどのさまざまな人間らしい経験を通じて、大きく広がるイメージを得るようになると、ただ生きているよりも、さらに重要な何かが心に生まれるのを感じ始めます。

 

 感性豊かな人間は、率直に心の痛みを感じ取ることができます。それ故、さまざまな挑戦を通じて、自らの力を振り絞っていると、自分にしか分からない胸に刻まれたかけがいのない思いや願い、美しい記憶、志、人生哲学などが生まれるもの。

 

 心の世界を豊かに広げることで、私たちの自己意識は、自らの存在価値を確かめ、自らの選択に対して責任をもつ自律的存在となり、人生の終わりの瞬間まで、生き生きとした気持ちを持ち続けることができます。

  

【人生を完結させる】

 

 とめどなき好奇心を満たし、全身全霊を込めて描いたエスプリ画の延長上には、新たな道がある。一枚のエスプリ画が最高峰に達すると、あなたの自己意識は、今の目標に関するひとつの思索的枠組みを作り上げており、また、その絵図の調和(マインド機能のバランス)は、あなたの心の世界に静寂を生み出します。

 

 その心の静けさの中で、あなたの直感機能は、次の目標を示唆し始めるでしょう。あなたの自己意識は、今のエスプリ画を起点としながらも、今の思考的枠組みを乗り越え、新たな事柄に関心を抱くようになるはずです。

 

 そのような時、読書や情報検索に励んで、新たな行き先(目標)を見つけ出しましょう。次の活動に取り組むことで、また、新たなエスプリ画をデッサンすることになります。

 

 この繰り返しにより、私たちは人生の空白部分を徐々に埋めてゆくことができます。美・善・真を軸とする多彩な活動に挑戦し、すべてのマインド機能を活性化させて、互いに作用させることで、己の人生の完結に向かいましょう。