他人の賞賛や非難など一切気にしない。自分自身の感性に従うのみだ。
I pay no attention whatever to anybody's praise or blame. I simply follow my own feelings. Mozart

= 13 所有する価値観の審判 =


【生きる意味】

 

 「生きる」とは、この地球環境や社会の時代性を解釈し、自らの生きる意味を見つけながら、自己を駆り立て、絶えず選択をすること。その生きる意味というのは、けっして財物や肩書きでは言い表せません。

 

・自分はどのように家族を愛してきたのか? 

・幾多の試練にどのように立ち向かってきたのか? 

・どのような事柄に身を捧げてきたのか?  

 

という日々の活動に生きる意味があります。 

 

【みずみずしい自尊心】

 

 私たちの健全な自己意識は、必要なマインド機能を必要な時期に最大限に働かせつつ、最終的にはすべてのマインド機能を十分に躍動させようとします。たとえば、10代はスポーツと受験勉強、20代は仕事とボランティア、30代は家庭作りと子育て、40代は瞑想と健康作りに励み、50代は創作に挑戦した、という具合です。

 

直感機能(瞑想・知覚・変革・独創・発明など)

精神機能(ボランティア・救済・自己哲学など)

思考機能(勉強・受験・研究・教育など)

肉体機能(スポーツ・美容・創作など)

愛情機能(恋愛・結婚・子育てなど)

集団機能(友情・仕事・企画・起業など)

 

 自分の心に備わる各マインド機能を時期に応じて使い分けていると、自然に、それら複数の機能を俯瞰的に見つめ、必要なとき、必要なマインド機能を活用する統合的な自己意識が育ちます。

 

 この自己意識は、友人に信頼される、恋人と共に幸せを感じる、スポーツを楽しむ、信念を貫くなどのさまざまな人間らしい経験を通じて、海のような心を得るようになると、ただ生きているよりも、さらに重要な何かが心に生まれるのを感じ始めるでしょう。

 

【平常心の必要性】

 

 私たちの自己意識は、平時であれば、思考による情報収集と分析だけで行動の選択ができたとしても、非常時では、直感による本質の見極めが求められる場合があります。しかし、「自分にとって何が得か?」という合理的思考にとりつかれていると、直感の声は聞こえません。

 

 自分を納得させようと取り繕った考えが、純粋な直覚を退け、実際、自分は本当にどう感じているのかを理解できないからです。

 

 そのため、様々な経験を通じて自分の心を見つめ、心に何が生まれているのかを観察することが重要になります。人間らしい多様な生き方を続ける中で思慮深くなり、静かな心で直感に耳を傾けると、その声は、科学的な理論や哲学的なルール以上に説得力をもち始めます。

 

【統合力の実感】

 

 充実した人生は、一時の特出した瞬間にではなく、日常のささやかな瞬間に根ざしています。私たちは人生を浪費せず、すべてのマインド機能を十分に働かせて自らの統合力を実感することが重要であり、それら挑戦の結果に付属してくる成功や失敗の重要性は二の次です。

 

 人生の諸々の問題を一つのマインド機能の力で一挙に解決しようとするなら、それは自己の存在意義を誤解することになります。

 

 自分に備わるマインド機能の能力を軽視するのではなく、十分に活用しているという感覚が大切であり、全人的統合感を持って生きることこそが、己の人生を生きたという証になるからです。  

 

【価値観の出所を見る】

 

 宇宙の調和(美・善・真)の中に、6つのマインド機能に属する本質的価値が存在し、私たちの自己意識は、それらの中に生きる意味を見つけることができます。

 

直感機能:純粋、調和、平常心、直感力、創造力、動物愛護

精神機能:善意、道理、平和、正義、志、反省、徳、品格、貢献

思考機能:好奇心、学習、理解、観察、根気、分析、発見、真理、教育

 

肉体機能:健康、清潔、感動、表現、勇気、挑戦、平等、忍耐

愛情機能:愛、育児、家事、優しさ、献身、安らぎ、成長、孝行

集団機能:責任、信用、忍耐、技術、改善、協力、向上

 

という具合です。

 

 このような本質的な価値を悟ることは、己の生きる意味をチェックするだけでなく、自らが犯した過ちの原因究明に役立てることもできます自身の誤りに気付く度にそこを修正してゆく。その一つ一つの積み上げが大事で、正しい方向へ向かっていれば、目の前の困難がどんなに大きくても、いつか乗り越えられるはずです。

 

【痛み・願い・大志】

 

 感性豊かな人間は、率直に心の痛みを感じ取ることができます。それ故、さまざまな挑戦を通じて、自らの力を振り絞っていると、自分にしか分からない胸に刻まれたかけがいのない思いや願い、美しい記憶、志、人生哲学などが生まれるもの。

 

 豊かに広がる心の世界を作ることで、私たちの自己意識は、自らの存在価値を確かめ、自らの選択に対して責任をもつ自律的存在となり、人生の終わりの瞬間まで、生き生きとした気持ちを持ち続けることができます。