= 11 持続可能という感性の覚醒 =

君の胸から出たものでなければ、人の胸をひきつけることは決してできない。
You'll never speak from heart to heart, unless it rises up from your heart's space. Goethe

【ありのままの心と感覚】

 

  この惑星で大量破壊兵器が生み出された難局にて、無感覚な奴隷たちの破壊願望が満たされてはなりません。ルール体制の問題点を指摘し(芸術)、健全な世の中の仕組みを再構築し(哲学)、文明の安全な発展に努める(科学)ことは、現代人に科せられた極めて重大な課題です。

 

 私たちは合理的な知性ばかりを重視せず、アートな生活を通じて、古代人が備えていたような美意識(内的基準の要)をよみがえらせるべきです。それはありのままの大自然に向き合う中で生まれると「持続可能」という感覚です。 

 

【文明の限界域を知る】

 

 本来、宇宙の秩序に正統性をおいて人間社会を作るスタンスが文明の根底にありました。 そのようなコミュニティでは天体の動きが重視され、人々は自然の美しさを尊重する気持ち、天然資源を守る意志も抱いていました。

  

 古い時代の祖先たちのように大自然を崇拝することはないにしても、最低限、私たちは現代の法律制度だけでは文明の発展に限界がある、という事実に気づくべき時期に来ています。 

 

【自己規範第一主義】

 

 社会の分業システムが複雑に影響し合い、個々の役割が単純に把握できない現代、人々の価値観の混乱や美意識の破壊という問題が深まる一方、社会システムがより複雑に細分化され、より急速に変化すると、国家の法整備そのものも後手後手に回っていきます

 

 ルールの整備が追いつかない情勢では、破壊者たちが先端技術を使い、違法すれすれの行為をするモラルハザードが増えることで、社会の不調和は増すばかりです。

 

 よって、美・善・真の価値に照らして、内発的に判断を下すことが極めて重要になってきます。世の中がどんなに変わろうとも、自己判断の拠り所(美・善・真の価値)は普遍的なので、社会の安定に寄与するからです。

 


【美・善・真の守護】

 

 美は平和繁栄へ至るための唯一の道です。長い人類史の中で革命の血が何度となく流れ、ようやく手に入れた「自由」と「平等」の価値を大切にし、かつ、人類の自己意識の創造と地球の健全な発展を目指すため、私たちは美しい芸術を足場にして、美・善・真の力を守護する必要があります。

 

 どす黒い瞳の醜人は美を惑わせて汚し、険相の悪人は善を脅して陥れ、多弁な偽人は真を挑発して狂わせようと気色ばんでいます。「法の樹木」に巣くう心の死んだゾンビたちは、ある程度の社会的地位を獲得しているため、邪悪な力(醜・悪・偽)に対峙するためには、壁にぶつかっても折れることのないメンタルの強さが求められます。