= 2 多面的視野による思索 =

【心の本質を自覚する】

 

 エスプリ画を描く際、特に、心の世界にある6つマインド機能に注意を向けてください。マインド機能の訴えによく耳を傾け、それぞれの性格の違いを理解することで、現時点において未だなされていない事柄などにも気付くようになるでしょう

 

 たとえば、ある頑固な大学教授が思考機能を重視して、合理的な判断ばかりをしていたものの、ふと愛情機能の訴えに耳を傾けてみた。すると、彼の愛情機能は彼の自己意識に対し、「そもそも、なぜ家族を愛さねばならないか?」を説明する。

 

 その結果、彼の自己意識は愛の本質に気づき、物事の見方に変化が生じて、愛情を大切にして生きていこうとする新たな意欲、将来の夢、生き甲斐が生まれるようになった、という具合です。このような気づきを通して、彼の家族に対する態度は、厳格で厳しい姿勢から、真心のある優しさを含むものに変わりました。  

  

【内界を見る枠組み】

注意深い観察眼
watchful eyes

 

 それは、彼の自己意識による「内界を見る目」が変わることを意味しており、人の自己意識はすべてのマインド機能の意見に真摯に耳を傾けることで人生観を成熟させます。一方、その者の自己意識は、より多くのマインド機能の意見を取り上げて、とりまとめる必要が生じるため、慣れないうちは感受的な不協和も体験します。故に、私たちの自己意識にはより力強い統率力が求められるのです。

 

 たとえ、私たちが気づかないとしても、心の世界に存在する6つのマインド機能は、常にそれぞれの役割を果たそうと働き、意識的・無意識的な訴えをしています。たとえば、

 

直感機能:美しい自然に触れて感性を整えたい

精神機能:生まれ育った故郷の伝統を大事にしたい

思考機能:最新の専門書を購入して勉強したい

肉体機能:美味しいものを食べたい

愛情機能:娘にプレゼントをしたい

集団機能:会社の業績を上げたい

 

という具合に、6つの機能は訴えており、かつ、それぞれが「自分の訴えは正しい」と考えています。

 

【クオリティの高い判断力】

 

 すべてのマインド機能の訴えは、本質的な重要性を備えているため、あなたの自己意識は、その場の状況に応じて、訴えを受理したり却下したりして、行動の優先順位を決める必要があります。

 

 この点、エスプリデッサンでは6つのマインド機能の性格を深く理解し、心の世界を安定させつつ、整理統合力・哲学的思考力を養い、クオリティの高い意志決定力を獲得する努力をします。 

 

【潜在力の開花】


 

 実際、あなたの自己意識が6つのマインド機能の能力に理解し、それらを活発に働かせると、今の時代に合わせながら自らの潜在能力を進化させられるでしょう。

 

 たとえば、人間の愛情機能を例に考えてみます。

 

 私たち人間が有する愛情機能は、原始・古代・中世・近代という時代の変遷を通じて、つまり、原始共産制・奴隷制・封建制・資本制という社会の生産様式の変化に応じて、愛情を交換し、愛の実現に悩みながら子孫をこの世に残し、人類の存続に貢献してきました。

 

 この愛情機能は、その時代その時代の社会スタイルに合わせる取り組みの中で、時には、ときめきや喜びを歌い、時には、心の痛みを分かち合いながら、愛の形を整え、愛の寛容さを養ってきました。

 

 よって、あなたの自己意識が、あなたの愛情機能の声によく耳を傾け、その性格をよく理解して、その機能を上手に働かせると、あなたは今の時代に求められる形で自らの愛の形を整えながら、自身の愛情機能の潜在力を高められます。 

 

独特の芸術家
An inimitable artist