= 1創造の構図 =

六つの機能によって構造が見えてきたら、

次に行うのは、それを一枚の図として描き出すことです。

 

ここで初めて、内面にあった構図は、

目に見えるかたちとして定着します。

 

【構図をエスプリ画として描き出す】

1 基本形を描く

 

まず、紙の中央に円を描き、そこに主題を記します。この中心は、創造の核であり、自己意識の焦点となる部分です。

 

次に、その外側にもう一つ円を描き、全体を六つの領域に分けます。それぞれの領域は、六つのマインド機能に対応しています。

 

2 構造を配置する

 

第②節で整理した要素を、対応する機能の領域に書き入れていきます。言葉だけでなく、記号や線、簡単な図形を用いても構いません。重要なのは、意味を正確に表すことよりも、自分の感覚において「しっくりくる配置」を見出すことです。配置された要素は、単なる情報ではなく、それぞれが役割を持つ「部分構造」となります。

 

3 関係を読み取る

 

すべてを書き入れたら、一歩引いて全体を見渡します。

 

どの領域が強く現れているか。

どの領域が弱いまま残っているか。

それぞれの要素が、どのように関係し合っているか。

 

必要であれば、線を引いて関係性を示しても構いません。このとき現れてくる構図は、頭の中で考えていたものとは異なり、より立体的で現実的な姿を持ち始めます。 

 

【全体の動きを感じる】

エスプリ画は、静止した図ではありません。中心から周囲へ、周囲から中心へと、意識がどのように流れていくかを感じ取ってください。

 

各機能がどのように連動し、どの方向へ向かおうとしているのか。

 

その「動き」が見えてきたとき、構図は一つの生命のように働き始めます。 

 

【未完成を残す】

何か信じるものがあるのに、それに従って生きない人間は信用できない。
To believe in something and not to live it is dishonest. Mahatma Gandhi

ここで重要なのは、完成を急がないことです。空白のまま残っている領域や、不明確な関係があっても構いません。それらは未完成ではなく、これから展開されるべき可能性です。エスプリ画は、一度描いて終わるものではなく、実践とともに更新されていく構図です。 

 

 

 エスプリ画を描くとは、

内面に存在していた構造を、

外界において扱えるかたちへと変換することです。

 

その一枚は、創造の出発点であると同時に、

全体を導く設計図となります。

 

この構図をもとに、創造は現実の設計と制作へと移行していきます。 

 

【構図を現実へと展開する】

 

 エスプリ画によって構造が可視化されたとき、

創造は初めて現実の段階へと移行します。

 

ここからは、構図をもとに、

具体的な設計と制作へと進んでいきます。

 

【具体的な設計】

1 目的を定める

 

まず、創造の目的を明確にします。

 

この創造は、何のために行うのか。

どのような価値を生み出そうとしているのか。

 

エスプリ画の中心に据えた主題を、現実の目的として言葉に定めます。目的が定まることで、構造は方向性を持ち、行動へと結びつき始めます。

 

2 必要要素を具体化する

 

次に、エスプリ画に配置された各要素を、現実に扱えるかたちへと具体化していきます。抽象的な概念であれば、それを実行可能な単位に分解し、必要な知識、技術、素材、環境などを洗い出します。

 

このとき重要なのは、「何が必要か」を正確に把握することです。曖昧なままでは、構造は現実に接続されません。

 

3 設計として整理する

 

具体化された要素をもとに、全体の設計を組み立てます。 構造はそのまま設計図の骨格となります。

 

各機能がどの役割を担うのか

どの順序で進めるべきか

どの要素が中核となるのか

 

これらを整理することで、創造は「実行可能な計画」として立ち上がります。

 

4 工程を組み立てる

 

設計が整ったら、作業の工程を組み立てます。 

全体の流れとしては、

 

設計

準備(情報・素材・環境)

部分ごとの制作

組み立て

改良

完成

 

という段階で進めていきます。さらに、六つの機能ごとに部分工程を考えることで、全体と部分のバランスを保ちながら進行することができます。

 

5 制作と調整を繰り返す

 

実際の制作に入ると、想定とは異なる問題や課題が必ず現れます。その都度、エスプリ画に立ち返り、構造との整合性を確認しながら調整を行います。

 

部分の修正は、全体に影響を及ぼします。そのため、常に全体を見渡しながら進めることが重要です。

この往復によって、創造物は徐々に洗練されていきます。  

 

構図を現実へと展開するとは、

内面で捉えた構造を、

具体的な形として実現する過程です。

 

このとき、創造は思考の中のものではなく、

現実の中で機能する存在へと変わります。

 

しかし、創造は一直線に完成へと向かうものではありません。