= 3 自己意識による抽象化 =

【自分の心と人類の心】

 

 20世紀の哲学者サルトル(フランス)は、外界の現実は私たちの働きかけによって、「そのような現実」になっている。外界の現実というのは「私の一部」であり、切って離すことはできないが故に、自分の行動の責任はすべて自分自身に跳ね返ってくる、と告げた。 

 

 責任云々という論点は別にして、外側の社会は、実際に人間が創り上げたものなので、私たちの暮らす街の営みには、「私自身の考えや行為」が多少なりにも影響を与えているのは事実です。

 

 また、内的に考えてみると、「自分」と「外界」の関係は、「自分の心の世界」と「自分を含む人間の心が作り上げた世界」(人類の心)の関係と言い直すこともできます。つまり、自分の心が人類の心に働きかけをする一方、人類の心も自分の心に働きかけを行っているのです。

 

【マインド機能の具象化】

 

 私たちの心や行動が互いに複雑に結びついて社会を作り上げる。その混然とした世界には、人間の心が関与している以上、6つのマインド機能がさまざまな働きかけを行っている、と考えてみることもできます。

 

 たとえば、街の大通りに面したカフェの様子を観察し、そこに内在する要素をエスプリ画の基本形に落とし込んでみてください。

 

◆直感機能;店の雰囲気作りを創造

◆精神機能;静かで快適な環境の追求

◆思考機能;建築と火災防止の知恵

◆肉体機能;飲料の選択

◆愛情機能;男女愛

◆集団機能;集団のマナー   

 

という具合に、それぞれのマインド機能の関与が拝見できます。 

 

【社会の輪郭から読む人類の心】

 

 私たちは内面のマインド機能がどのように働いて、社会を形作っているのかを把握し、その上で、個々の機能がどのように関連し合っているのかに注意を向けることで、社会事象の実相をより良く読み解くことができます。

 

 さらに、その考察の中で、目の前の社会を作り上げている人類全体の心の様子を推測してみると、日々の出来事の中により深い意味を感じ取り、社会の変化が予測できるようになります  

 

【社会の輪郭:情勢の変化=人々の心の変化=人類の心の変化】

 

【自己意識の抽象度を変える】

 

 社会の様子を観察する一方で、マインド機能の本質への理解を深めると、私たち、個人レベル・国家レベル・世界レベルという具合に意識の抽象度を変えながら、エスプリ画をデッサンできるようになります。

 

個人の心【外界 ⇔   自己意識   ⇔ 6マインド機能】 

                                                   ↕

国家の心【外界 ⇔ 国民らの自己意識 ⇔ 6マインド機能】

                                                      ↕ 

人類の心【外界 ⇔ 世界中の自己意識 ⇔ 6マインド機能】  

 

【レベルに応じた観察】

 

 ここでは、国家レベルの次元において、「6つのマインド機能は、日本の行政機関でどのように機能するか?」とイメージして、エスプリ画の基本形に振り分けてみましょう。

 

●自己意識;内閣

◆直感機能;特許庁、環境省

◆精神機能;外務省、法務省

◆思考機能;文部科学省、財務省

◆肉体機能;農林水産省、警察省、防衛省

◆愛情機能;厚生労働省(労働部分は集団)

◆集団機能;経済産業省、国土交通省  

 

 このように6つのマインド機能に準じた機関を特定することができます。 

 

【本質の逸脱を捜査する】

 

 その上で、各機関の活動実態(外界)を観察すると、個々の国家機関における官僚たちの自己意識の様子を推測できます。たとえば、 

 

①財務省の動きが不自然     ⇒ 財務官僚らの心に不調和がある?

②財務官僚の言動を分析     ⇒ 彼らのマインド機能(特に思考機能)の様子をデッサンする

③異常のあるマインド機能の発見 ⇒ 正常なマインド機能の性質と比べてみる 

④自身の美意識から異常さ(邪悪さ)の程度を判定 ⇒ 邪悪度からその人物の行いを洞察する

 

 心の生来的なメカニズムとマインド機能の役割を理解した上で、外側の世界を観察すると、法律上の証拠が得られない場合でも、特定人物の邪悪度と行為の可能性を検証できます。その上で、その人物が属する組織の本質的な役割に注意を向けると、その実態が浮き彫りになってきます。 

 

 たとえば、財務省には思考機能の役割があり、真の探求をすべきなのに幹部官僚が「偽」を告げるようでは、組織自体が致命的な誤りを抱えている、と推測できます。

 

 このようにしてエスプリ画を通じた意識の抽象化を進め、それに慣れてくると、人類の自己意識の創造や世界のシステムの構築についても、イメージ設計ができるようになるでしょう。