= 4 イメージ設計の切り札 =

【激動期に求められるイメージ設計】

 

 私たちの自己意識はイメージ力を備えており、イメージの抽象化だけではなく、実世界に応じたセルフイメージを形成してさまざまな活動を展開することもできます。

 

 安定した時代であれば、私たちは自然発生的なイメージに従い、習慣的に暮らすことが多いでしょう。けどもし自由にイメージすることを単なる娯楽として無駄なイメージばかりを思い浮かべていれば、それは時間の無駄遣いです。イメージは実践的な行動を生み出す力でありますが、それが現状に対応している保障はどこにもないからです。 

 

 また、 激動の時代になると、世の中の先行きがより不透明になるため、私たちはイメージ力を高めて自分のビジョンをより鮮明にする必要があります。その際に重要になるのが、有用な形で情報・知識・言葉の再編成を行い、納得しながらイメージを鮮明にしていくことです。

 


【主題と統合イメージ】


  

 エスプリデッサンでは、まず、ベースエスプリ画を描いて、人生の6つの目的(自己意識の関心)を設定します。たとえば、青年期であれば、

 

直感:瞑想

精神:ボランティア

思考:大学合格

肉体:空手

愛情:恋愛

集団:友達作り

 

という内容で目的を設定します。

 

【自分らしい概念の創出】

円形パズル
Circular puzzle

 

 ベースエスプリ画を描いたら、目的の性質にに応じて付属的なエスプリ画を一枚制作して、理想のイメージを設計していきます。

 

 美の探求:アートエスプリ画 

 善の探求:ルールエスプリ画 

 

 真の探求:サイドエスプリ画

 創造:クリエイティブエスプリ画

 

 たとえば、サイドエスプリ画(思考機能)を作る場合、エスプリ画の主題(大学入試)に関する本を読み、幅広い情報を集め、必要と思われるキーワードを抽出します。個々のキーワードについて、「これはどのマインド機能に属するか?」といった着意を持って試行錯誤しながら振り分けると、主題に対して無意識的に設定している、自分のおおまかな構想が姿を現してきます。

 

 その微かな自覚の中で、主題に関する全体と部分の関係性に配慮しつつ、これまで無関係であった点と点とを積極的に結びつけていくと、やがて、すべての情報(キーワード)が相互に関連した統合イメージが生まれてきます。そして、最後に、自分の課題や目標を6つのマインド機能ごとに定めましょう。 

 

【デッサンの期間】

 

 自らの人生をアートする芸術家としてエスプリ画を描き、セルフイメージの育成を図りながら、自己実現を目指します。

 

 エスプリ画の主題の性質にもよりますが、一枚をデッサンする期間は3年から5年程度が目安です。たとえば、高校入学時に大学入試を主題とするエスプリ画を描いた場合、デッサン時期は3年の予定となります。

 

 マインド機能ごとに設定した目標と課題から何のための勉励・修練なのかを理解し、今の自分に可能な限り、目の前の物事に精一杯に取り組むこと。

 

 積極的に行動すると、多くの反省点や教訓、あるいは直感的な気づきやアイディアが生まれてきます。この場合、それらを素材として、エスプリ画の修正に取り組んでください 

 


【チャレンジの結晶】

概念芸術
conceptual art

 

 あなたの自己意識が願い、創作し、失敗を恐れず挑戦してきたこと。それらすべての知恵と感情と体験が一つの結晶に変わったものがエスプリ画です。長期間、継続的に粘り強い努力をし、自らの情熱を総動員して描き出したエスプリ画は、とても個人的なものであり、あなたにとっては、かけがえのない大切な作品となるはずです。

  

 一方、イメージ設計という行為は、もやもやした心に明確な方向性を与えていくもの。自己意識のイメージ力が高まり、未来をより鮮明に思い描くことで考える力実行力も生まれます。このようなイメージ設計を通じた芸術体験は、設計のスキルアップだけではなく、イメージに対する考え方やイメージという概念そのものの発展につながります。

 

 このように、あなたの自己意識が目標を見据えてイメージ設計力を養い、最後までやり遂げる力(執念)を発揮すれば、マインド機能への説得力も増して心の統率力を高めることにもなるでしょう。

 

 

行動を伴わない想像力は、何の意味も持たない。
Imagination means nothing without doing. -Charlie Chaplin-