=   2 美と醜の戦いの始まり =

【美しい芸術とメッセージ】

 

 ある国家の独裁権力が私欲のために醜い戦争を起こして、それを歴史に刻み込み始めると、当地域の外交史上、どこが最初の悪で、何が争いの根本原因かも分かないまま、報復的な戦争が繰り返される土壌になっていきます

 

 そのような混乱が続くほど、悪にとっては戦争の大義を偽装しやすくなり、本当の正義は存在しないまま、「善と悪の戦い」が繰り返されてしまうため、実質、国家が主張する「善悪の世界」は無意味なものとして終焉を迎えるべきでしょう。それは同時に、私たちがが新たな世界観による秩序を構築する時代が訪れたことを意味します。 

 

 今世紀は、悪より醜の危険性を意識すべき時代だと言えます。より具体的に申せば、美しい芸術を通じて、「美と醜の戦い」に挑み、差別に満ちた醜の温床を取り除き、社会の健全性を取り戻す時です。

 

【地球を守る感性】

 

 私たち人間も地球の生態系の中にある生き物である以上、健全な動物性を有さねばならず、人命ばかりか、多くの野生の命を奪ってしまう戦争爆撃、さらに、それらの状況を作り上げている醜い権力者たちの感性の異常さに気づくべきです。

 

 自然の生態系を破壊する方向へと向かう醜い勢力に対峙しなければ、緑豊かな地球と社会の持続性は失われてしまうでしょう。

 

 醜い勢力の残虐な行為や自然破壊に関して、それらを美しい芸術によって人々に伝えて、注目を集め、「これはやってはいけない。」という例を示すメッセージを世界中に送り、何が醜い行為なのかを明らかにしていきましょう。  

 

【固定観念からの解放】

  

 美と醜の戦いにおける現実問題として、私たちは、不正を行う権力者たちに対峙せねばならないため、いかなる人為的圧力や暴言にも屈せず、いかなる不正な指図も受け入れず、いかなる恐怖にも怖気づかず、決然と美と真実を求める必要があります。

 

 そのためには、過去の歴史的観念から自らの意識を解放し、上下を問わず、敵味方を問わず、公私を問わず、大人子供を問わず、醜い人間の行為に対しては、敏感に反応する感覚とそれを表現する芸術的センスが求められます。  

 

 芸術の表現を介して、良識ある人々が家庭・学校・職場・地域などにおいて、情報を共有し、団結して戦う。

 

 そうすれば、醜い親による虐待、醜い中学生によるいじめ、醜い上司によるセクシャルハラスメント、醜い官僚による文書改ざん、醜い政治家による補助金詐欺などを防ぎ、罪もない弱い立場の人間が精神的な苦痛を与えられるのをやめさせる風潮を作り出せます。

 

【美しい芸術の神髄】

 

 多様な地点から見たこと、聞いたことを勇気を持って表現し、伝え合い、大きなつながりにすることが重要です。私たちが助けたいと願う人々は、表現者の意気を受け止めて、希望や力、困難に立ち向かう勇気を与えられるはずです。 

 

 美しい芸術の真の意義は、勝ち負けではなく守ることにあります。あなたが守りたいと思う美しいものを見つけ、表現の自由を通じて人生の意味を感じ取り、この世にその輝きをとどめ、作品に自らの名を刻む。

 

 その結果、あなたを含む美の守護者たちはさまざまな美の価値を創造しつつも、世界はバランスをとり始め、一つの大きな調和を育てるに至るはずです。

 

 さらに、それらは自然破壊の防止、野生動物の保護、あるいは、核戦争の抑止などにつながる文化の形成にも役立つでしょう。 

 



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